ストレスチェック制度の施行に伴う省令案です。「ストレスチェック」産業医の職務に追加です!

労働安全衛生法の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令案の概要

1.ストレスチェック制度の概要

常時使用する労働者に対して、医師、保健師等による心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施を事業者に義務付けるもの(労働者50人未満の事業場については当分の間努力義務)。

検査の結果、一定の要件に該当する労働者から申出があった場合、医師による面接指導を実施することを事業者の義務とするもの。

2.改正の概要 ※労働安全衛生規則の改正

(1)産業医の職務

産業医の職務に、ストレスチェックの実施、ストレスチェックの結果に基づく面接指導の実施及び面接指導の結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関することを追加。

(2)検査の実施等に係る規定の整備

① 実施時期と検査の内容

事業者は、常時使用する労働者について、1年以内ごとに1回、定期に、次の事項について検査を行うこと。

・ 職場におけるストレスの原因に関する項目

・ ストレスによる心身の自覚症状に関する項目

・ 職場における他の労働者による支援に関する項目

② 検査の実施者

医師又は保健師のほか、厚生労働大臣が定める一定の研修を修了した看護師又は精神保健福祉士とすること。ただし、検査を受ける労働者について、解雇等の直接的な人事権を持つ監督者は、検査の実施の事務に従事してはならないこととすること。

③ 結果の保存等

事業者は、労働者の同意を得て、検査の結果を把握した場合には、当該結果の記録を作成し、5年間保存しなければならないこととすること。それ以外の場合には、事業者は、検査を行った実施者による検査結果の記録の作成及び検査の実施の事務に従事した者による当該記録の保存が適切に行われるよう、必要な措置を講じなければならないこととすること。

④ 結果の通知

検査結果は、検査の実施者から、遅滞なく、労働者に通知されるようにしなければならないこととすること。

⑤ 同意の取得

検査の結果を事業者に提供することについての労働者の同意の取得は、書面又は電磁的記録によらなければならないこととすること。

(3)検査結果の集団ごとの分析等に係る規定の整備

事業者は、実施者に、検査の結果を一定規模の集団ごとに集計させ、その結果について分析させるよう努めるとともに、当該分析結果を勘案し、必要があると認めるときは、その集団の労働者の実情を考慮して、当該集団の労働者の心理的な負担を軽減するための適切な措置を講ずるよう努めなければならないこととすること。

(4)検査結果に基づく面接指導の実施等に係る規定の整備

① 検査結果に基づく面接指導の対象となる労働者の要件

検査の結果、ストレスの程度が高い者であって、検査を行った実施者が面接指導の実施が必要と認めたものとすること。

② 面接指導の申出

労働者が検査の結果の通知を受けた後、面接指導の申出を遅滞なく行うとともに、事業者は、申出があったときは、遅滞なく、面接指導を実施しなければならないこととすること。また、実施者は、面接指導の対象となる労働者の要件に該当する労働者に対して、面接指導の申出を行うよう勧奨することができることとすること。

③ 医師の確認事項

医師は、面接指導を行うに当たっては、当該労働者の勤務の状況や心理的な負担の状況等を確認することとすること。

④ 結果の保存

事業者は、面接指導の結果の記録を作成し、これを5年間保存しなければならないこととすること。

⑤ 意見聴取

面接指導の結果に基づく医師からの意見聴取は、面接指導が行われた後、遅滞なく行わなければならないこととすること。

(5)その他の事項

常時50人以上の労働者を使用する事業者は、1年以内ごとに1回、定期に検査及び面接指導の実施状況等について、所轄労働基準監督署長に報告しなければならないこととすること。